洋ナシ制作過程
H25年7月15日(初日)
・まず、キャンバスに静物を描く際に気をつけることは、単色(この場合、茶黒系の色でとりあえず、濃淡で印象を強く描いていく、筆圧によるところ、筆の上下左右のかろやかな動きで伸びやかに描く。線から面ということでなく、次に続けることのできる画面を作る。特に暗い部分を強調することにより、その静物のを見たままを写し取ることが必要。影の方向をよく見ること。光のあたっているところは、擦れた筆でニュアンスを出す程度。形の誤りは次々に直していくこと。筆のタッチの回数が必要。また、このあたりは、習練が伴う。
今回は、キャンバスボードに描いているが、この際も、灰色の地塗りは行うべきである。
・次に行うことは、固有色をパレットで作り、これも第1段階と同じく、色の濃淡や擦れ、筆の動きにろり、次第に洋ナシの形を形成していく。洋ナシの斑点や凹凸により明暗をこの濃淡で少しづつ描き込む。この時点でハイライト部分は地の白を生かしている。影をかなりきつく捉え、しっかりと描いていく。シャープナな感じがするように。この時、照り返しによろ暗部の中の明るさ、光の中の暗部を見極めておくことが肝要。
・ここで、必要なことは、静物の観察、そしてその中から必要な事項を脳から手に移していく作業である。私の場合、完全に気後れが見られ、思い切った筆使いが出来ないという欠点があり、この克服が求められる。また、ある時点で、あるきれいな固有色を置き、周辺との兼ね合いから作業のいく道杉を探していくということも必要。逆に暗部に汚れた色を置き、同じ作業を行うこの応用力が発揮されて始めて描くという本質に近づく。
・色を使い始めた頃に、小さな色面を細かく描くという作業もやってみることも一案であると思う。