岩手県盛岡市に生まれ，旧制盛岡中学から黒沢尻中学へと進み，卒業後に画家を志し上京した。
中学在学中に早くも藤田嗣治に師事する。二科展に出品を続け，1942(昭和17)年に会友に推挙。
盛岡中学の先輩である佐藤俊介(後の松本竣介)と舟越保武と三人展を盛岡で開催した。
戦後は，シベリア抑留時代の生活がモチーフとなり，冷静なまなざしの中に哀愁と幻想の世界を追求
した作風となる。
1960年代には無所属となり，油彩や墨象による抽象的作品も試みながら，生涯「三万マイ」を制作目標
に絵かき職人を自負し，晩年は主にサムホールサイズの作品を日記のように描き続けた。

1919年 岩手県盛岡市神子田生まれ。
1936年 藤田嗣治に師事。
1938年 上京し，文化学院や川端画学校で学ぶ。第25回二科会展初入選，以後出品を続ける。
1942年 第29回二科会展会友。盛岡・川徳百貨店画廊で松本竣介(当時は俊介)・舟越保武と三人展を開催。
1945年 〜1947年応召，終戦，シベリア抑留。
1952年 第37回二科会展で特待賞受賞。
1957年 第34回春陽会展春陽会賞受賞。第1回安井賞候補新人展に招待される。
1958年 第35回春陽会展準会員となる。
1960年 〜1962年ニューヨーク・メルツァー画廊で個展開催。
1963 第7回日本国際美術展に出品。ニューヨークで制作活動を始める。
1968年 ニューヨーク・アイゼンバーグ画廊にて個展を開催。
1970年 新宿・伊勢丹百貨店美術画廊にてサムホール200点の個展を開催。
1977年 盛岡橋本美術館で岩手の作家自選展に出品。
1986年 5月18日，胃がんのため川崎市にて死去。享年66歳。

1991年 山梨県立美術館の新収蔵品展で水彩画20点展示。
　　　 神奈川県立近代美術館の松本竣介と30人の画家たち展にて作品展示。
1992年 澤田哲郎画集が刊行される。