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澤田文一 「月の門」 F30号
































 
 作家名  澤田文一
 タイトル  月の門
 技法  キャンバスに油彩
 サイズ  F30号 90.9×72.7p 
 額サイズ  108×90p
 サイン  画面右中央の柱に隠しサイン、裏木枠にサイン・タイトル
 状態  作品、額縁の状態は良好。布タトウ箱・黄袋。
 略歴


澤田文一 (さわだふみかず) FUMIKAZU SAWADA

1949年 北海道で生まれる
1974年 二紀会、フランス美術賞展で入選となる
1975年 第3回ブロードウェイ新人展で新人賞第2席となる
1980年 松坂屋名古屋本店で個展を開催する
1980年代に活躍した後、長らく消息が途絶えていましたが、
2012年に20年ぶりの個展を開催し、話題となった。

北海道出身の昭和〜平成時代に活躍する日本の洋画家です。聖書やギリシャ神話などに影響され、
これらは多くの作品に反映されており、その作風は人間の心の闇を表し、その闇の底から這い上がる
人間の強さや、慈悲の心を感じさせてくれるものとなっているのが特徴です。
作風やその生涯から孤高の画家、魂の画家、画界のドストエフスキーなどと呼ばれており、まさに
絵を描くだけに生きている画家といっても過言ではありません。
冬の寒さが厳しい北海道で3人兄弟の末っ子として生まれた澤田文一は、生まれた時には父親が病気
で亡くなっており、母親が女手一つで育てられました。そのため、決して楽な生活を送れたわけでは
なく、厳しい寒さと貧しさに耐える生活を送っていました。
そんな生活を送っていたため、救いの手を求めるかのように聖書やギリシャ神話に惹かれ、心の中から
吐き出すかのように絵に表現していくようになり、画家として作品を発表するようになりました。
「天才」と呼ばれる事の多い澤田文一の作品はまずはカンヴァスを黒く塗りつぶす事から始まります。
黒く塗りつぶしたカンヴァスに色や光を与え、時には穴を開けるなど他の画家が表現しない方法で
絵を描いていきます。
これは幼い頃に辛く苦しい事を経験した事で生まれた心の闇そのものを心象風景として表わすために
生まれた表現方法でした。そのため自画像も多く描かれており、その時の心境によって表現の仕方が
違っており、澤田文一の心の状態が分かるといわれています。
1980年代には有名百貨店での個展を数多く開催し、一世を風靡した澤田文一ですが、絵を描く事以外
には執着がなく、突然消息不明となってしまいました。
多くの人々が澤田文一の存在を忘れかけた頃、再び日本の美術界に表れ、強烈な作品を発表し続ける
ようになります。
その人気は忘れられていた事が嘘のようで、今では根強いファンも多く、作品を入手する事が難しい
作家の一人となりました。
売れっ子作家となっても家賃を除いては月の生活費は3万円という決して贅沢をしないという生活
スタイルは変える事はなく、作品によってはカンヴァスの裏側にも絵が描かれている事があります。

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