18世紀末から19世紀のヨーロッパで台頭した風景画というジャンルは、ロマン主義にその起源を持 ち、古典主義や合理主義に反して、感情や個性、そして自由を尊重し、自然との一体感や無限なものへの憧れを絵にしました。
その後、クールベの写実主義やミ レー、コローといったバルビゾン派などのフランス画壇へと受け継がれ、さらにイギリスへと伝わり彼の地で大いに人気を博しました。
大地の美しさを賛美し、 その場その時の空気までもキャンバスに描出した風景画家たちの作品には独特の透明感があり、詩情豊かな表情を持っています。
伝統あるフランスの 「Benzit美術家辞典」でも紹介されているジョージ・レズリーが見た光景は、樹間から陽光が洩れ、田園にくつろぐ貴婦人の姿が丹精に描かれています。
一筆一筆までが精緻に描き込まれ、透き通った小川や木々の表情までが巧みな筆先で写生されており、時代を越えてこの情景が目の前に在るかの如く錯覚に陥り
ます。
画伯の真摯な制作態度によって完成された一枚の絵は、叙情的な雰囲気を醸し出し、心安らぐ穏やかな一時を与えてくれます。
額はイタミがあります。配送中にもイタミが生じる可能性がありますので本作は保険適応外となります。
ジョージ・レズリーは、1835年ロンドンに生まれました。父親のチャールズ・レズリーに師事しました。
ロイヤル・アカデミー会員として活躍。1889年と1900年のパリ万博で銅賞を受賞しました。
1921年没。ヨーロッパ各地の美術館に作品が所蔵されています。
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