美術評論家・中村渓男の子。文化勲章を受章した日本画家である祖父・中村岳陵に絵を習い、のちに
東山魁夷に師事した。1968年春の日春展に初入選、秋の日展で特選となった。
その後も日展を中心に活躍し、現在は日展会友。四季の風景をモチーフとした日本画を得意とする。
日本の四季、自然に焦点を当て、主に京都、信州、八ヶ岳、上高地といった地域を取材。
2015年日蓮とのゆかりがある大田区池上の本行寺で客殿が新築され、描き下ろした壁画「清宵(せい・しょう)」を奉納した。作品は高さ2・1メートル、幅5・8メートルで、約5カ月を費やして完成させた。
1950年 神奈川県逗子市に生まれる。
父・美術評論家中村渓男。祖父・日本画家中村岳陵(文化勲章受章)。
幼稚舎から慶應義塾に学ぶ。
1965年 祖父・中村岳陵(文化勲章受章)に師事。高校入学後、本格的な画家修業を始める。
1968年 高校3年生の時第3回日春展に『早春』を初出品し、日春賞受賞。
同年秋の新日展に『翠明』を初出品し、特選・白寿賞受賞。
1969年 『早晨』で第4回日春展にて奨励賞受賞。
第1回日展に『月鐘』を無鑑査出品し、外務省買い上げとなる。
同年祖父・中村岳陵逝去。
1970年 第5回日春展。『朝霧』で奨励賞受賞。
1971年 第6回日春展。『冬』で日春賞受賞。
この年より、東山魁夷に師事。
1973年 慶應義塾大学文学部東洋史学科卒業。
師のもとで更なる研鑚を積み、
1976年 26歳で日展会友となる。 1989年 ワシントン・スミソニアンにて講演。
1995年 阪神大震災チャリティー絵画展を主催
その後は全国各地で個展を開き、また日本画の普及活動にも力を注ぎ、海外での講演活動も精力的に行う。祖父・中村岳陵から学んだ線の大切さ、師・東山魁夷からの色の配置やアングルの捉え方、そして両師より受け継いだ画家としての人生観を胸に、春夏秋冬の雄大な富士の姿など、日本の四季のうつろいを精密かつ繊細に描く日本画家として知られている。
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